乗鞍岳

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広大な裾野

乗鞍岳(のりくらだけ)は、飛騨山脈(北アルプス)南部の長野県松本市と岐阜県高山市にまたがる剣ヶ峰(標高3,026m)を主峰とする山々の総称です。
山頂部のカルデラを構成する最高峰の剣ヶ峰、朝日岳などの8峰を含め、摩利支天岳、富士見岳など23の峰があり、広大な裾野が広がります。
飛騨側の高山市街地などから大きな山容を望むことができ、親しまれてきた山です。
比較的新しい火山であることから穏やかな山容が特徴で、長野県側の麓には溶岩流で形成された乗鞍高原が広がっています。
1949年に岐阜県道の観光道路で標高2,702mの畳平までバスが運行されるようになると、大衆化し「雲上銀座」と呼ばれ観光地として賑わいました。
1829年(文政12年)の「飛州誌」では、「騎鞍ヶ嶽」と記されていました。
飛騨側から眺めた山容が馬の鞍のように見えることから、「鞍ヶ嶺(鞍ヶ峰)」と呼ばれていたこともあります。
日本には同名の乗鞍岳が複数あり、「乗鞍」は馬の背に鞍を置いた山容に由来しています。

高さ3位の火山

日本の火山としては富士山、御嶽山に次ぐ高さです。
乗鞍岳は乗鞍火山帯に属し、複数の火山が南北に並ぶ複合火山です。
千町火山体(せんちょうかざんたい、128-86万年前に活動した古期乗鞍火山)と烏帽子火山体、四ッ岳火山体、恵比寿火山体、権現池・高天ヶ原火山体(32万年前に活動を開始した新期乗鞍火山)で構成されています。
山頂部は南北6km、山体は北の安房峠から南の野麦峠まで南北15km、東西に30km、山域の面積は約250km2と裾野が広いのが特徴で、北アルプスの中では最も広い山域を持ちます。
乗鞍高原などの8つの平原があり、火山湖と堰止湖の12の池があり、山頂直下西にある権現池は、日本では御嶽山の二ノ池に次いで2番目の高所にある湖沼です。

夏でも残る積雪

山頂付近の積雪が多く、乗鞍スカイラインの開通のために長期間の除雪が必要となります。
夏でも一部の北東斜面などには雪渓が残り、夏山でのスキーが可能となっています。
西山腹の千町火山体の溶岩台地上の千町ヶ原から奥千町にかけては、池塘が点在する高層湿原となっています。

高山植物の宝庫

乗鞍岳は高山植物の宝庫でもあり、初夏には、白、黄、ピンクなど色とりどりの花を楽しむことができます。
乗鞍岳は国立公園の特別保護地域に指定されていて、特別天然記念物のライチョウをはじめ、高山植物など貴重な動植物の宝庫でもあります。

高山祭

観光としては、高山祭があります。
日枝神社の春の山王祭(4月14・15日)と、桜山八幡宮の秋の八幡祭(10月9・10日)の総称で、日本三大美祭のひとつに上げられています。
祭の起源は飛騨の領国大名金森氏の時代(1585~1692年)、屋台の起こりは1718年頃にさかのぼり、巧みな人形の動きを披露するからくり奉納、仕掛けが施された戻し車など屋台にも匠の技が生きています。
温泉は「奥飛騨温泉郷 平湯温泉」などがあり奥飛騨温泉郷の中で一番古くからある温泉地。
昔武田信玄による飛騨攻めのとき、家臣が疲れきっていると白い老猿が山の中の温泉に案内したという白猿伝説があります。

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所在地マップ

【所在地】岐阜県高山市丹生川町岩井谷

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