西芳寺(苔寺)
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苔寺(こけでら)
西芳寺(さいほうじ)は、京都市西京区松尾にある臨済宗の寺院で、一般には苔寺(こけでら)の通称で知られています。
山号を洪隠山と称して、本尊は阿弥陀如来、開山は行基と伝え、中興開山は夢窓疎石です。
「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されています。
伝承によれば、西芳寺のある場所は飛鳥時代には第31代の用明天皇の皇子である聖徳太子の別荘があり、太子作の阿弥陀如来像が祀られていたといいます。
平安時代初期の806年には第51代平城天皇皇子である真如法親王が草庵を結び修行をしたといいます。
また真言宗開祖である空海が入山し黄金池にて放生会を行ったというお寺です。
境内
境内東側は黄金池を中心とした苔の庭園であり、東側には本堂(西来堂)、書院、三重納経塔などがあります。
庭園内には湘南亭(重文)、少庵堂、潭北亭(たんほくてい)の3つの茶室があって、境内北側には枯山水の石組みがあり、開山堂である指東庵が建っています。
このほか境内には高浜虚子の句碑や大佛次郎文学碑などがあります。
庭園
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西芳寺(苔寺)の庭園は、特別名勝及び史跡で、夢窓疎石の作庭で、上段の枯山水と、下段の池泉回遊式庭園の2つから成っていました。
境内北方には上段の枯山水庭園の石組みが残り、この部分には夢窓疎石当時の面影が残っていると思われます。
今日、西芳寺庭園としてよく知られるのは苔の庭で、木立の中にある黄金池と呼ぶ池を中心とした回遊式庭園です。
展望
山麓に位置する地形の庭園構成を池と、その上の山の斜面を利用した禅堂の庭とに分けまたこの禅堂より山に登る道があって、頂上に縮遠亭という休憩所がありました。
頂上からは桂川周辺を展望しようとし、池辺の2層の舎利殿(瑠璃殿)からは庭園を見下ろそうとする構想で、両者は同一の考えから出た、立体的な構想力を示したものであるとされます。
美しい景観
園内を約120種類の苔が覆い、まるで緑のじゅうたんを敷き詰めたような美しさから苔寺と呼ばれています。
約3万平方メートル(約9千坪)にも及ぶ庭園は年間を通して非常に美しい景観を楽しませてくれます。
特に紅葉の季節には庭園内の木々たちと、苔たちとの絶妙なコントラストが美しいです。
歴史
奈良時代、行基菩薩の開創と伝えられる古刹(こさつ・由緒ある古いお寺のこと)で、兵乱などで荒廃の後、暦応2年(1339)に夢窓国師により再建されました。
庭園は上下二段構えの造りで、上段には枯山水の庭、下段には「心」の字を描く黄金池を中心とした池泉回遊式の庭を配置、その見事な構造は後の日本庭園に大きな影響を与えてきました。
足利義政が銀閣寺を建てるときに庭や建物を見本にしたことは有名な話です。
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所在地マップ
【所在地】京都府京都市西京区松尾神ケ谷町56
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