東大寺

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世界遺産

東大寺(とうだいじ)は、奈良県奈良市雑司町にある華厳宗大本山の寺院で、金光明四天王護国之寺(きんこうみょうしてんのうごこくのてら)ともいい、奈良時代(8世紀)に聖武天皇が国力を尽くして建立した寺です。
「奈良の大仏」として知られる盧舎那仏(るしゃなぶつ)を本尊とし、開山(初代別当)は良弁です。
「大仏さん」の寺として、古代から現代に至るまで広い信仰を集め、日本の文化に多大な影響を与えてきた寺院であり、聖武天皇が当時の日本の60余か国に建立させた国分寺の中心をなす「総国分寺」と位置付けられています。
東大寺は1998年に古都奈良の文化財の一部として、ユネスコより世界遺産に登録されています。

東大寺の境内

東大寺の境内は平城京の外京の東端を区切る東七坊大路(現国道169号)を西端とし、西南部は興福寺の境内と接していました。
南大門を入って参道を進むと、正面に中門(南中門)、その先に大仏殿(正式には「金堂」)があり、大仏殿前には東大寺創建当時に造立された八角灯籠があります。
中門からは東西に回廊が伸び、大仏殿の左右に達しています。
南大門から中門への参道の東側には東大寺の本坊があり、反対の西側には東大寺福祉療育病院などがあります。
大仏殿の東方には俊乗堂、行基堂、念仏堂、鐘楼などがあり、そのさらに東方の山麓は「上院」(じょういん)と呼ばれる地区で、開山堂、三昧堂(四月堂)、二月堂、法華堂(三月堂)などがあり、その南には鎮守の手向山八幡宮(東大寺とは別法人)があります。
大仏殿の西方には指図堂(さしずどう)、勧進所、戒壇院などがあり、大仏殿の北方、やや西寄りには正倉院の校倉造宝庫と鉄筋コンクリート造の東宝庫・西宝庫があります。

歴史

728年、聖武天皇が皇太子供養のため建立した金鐘寺が東大寺の始まりです。
華厳宗大本山で、741年に聖武天皇が護国信仰に基づいて国分寺の建立を命じられた際、金鐘寺を大和国分寺として金光明寺と称しました。
743年になり聖武天皇が大仏造顕の詔を公布、745年に金光明寺にて造営が開始された際、東大寺となりました。
大仏は752年に開眼供養が行なわれましたが、大仏殿や講堂などの伽藍が完成したのは789年です。
その後1180年に平重衝によって、1567年には松永久秀によって伽藍が焼失し、現在の伽藍は1709年に再建されたものです。

大仏殿

「大仏殿」は創建から2度にわたって焼失、鎌倉と江戸時代に再建されたもので、江戸期には柱とする材が調達できず、芯となる槻(つき)を檜板で囲い、鉄釘と銅輪で締めて柱としてあります。
そのため、創建時に11間(けん、86m)あったが7間(57m)となっていますが、現在でも世界最大級の木造建築であり、往時の壮大さがうかがえます。

法華堂(三月堂)

法華堂(三月堂)は、東大寺建築のなかで最も古く、寺伝では東大寺創建以前にあった金鍾寺(きんしょうじ)の遺構とされています。
752(天平勝宝4)の東大寺山堺四至図(さんかいしいしず)には「羂索堂(けんさくどう)」とあり、不空羂索観音を本尊として祀るためのお堂であります。
旧暦3月に法華会(ほっけえ)が行われるようになり、法華堂、また三月堂ともよばれるようになっています。
二月堂は、旧暦2月に「お水取り(修二会)」が行われることからこの名があります。
二月堂は平重衡の兵火(1180年)、三好・松永の戦い(1567年)の2回の戦火には焼け残りましたが、寛文7年(1667年)、お水取りの最中に失火で焼失し、2年後に再建されたのが現在の建物です。
本尊は大観音(おおかんのん)、小観音(こがんのん)と呼ばれる2体の十一面観音像で、どちらも何人も見ることを許されない絶対秘仏です。

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所在地マップ

【所在地】奈良県奈良市雑司町406−1

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