英彦山 人気の観光旅行スポットや名所を都道府県別に紹介

日本百景

英彦山（ひこさん）は、福岡県田川郡添田町と大分県中津市山国町とにまたがる標高1,199mの山です。
耶馬日田英彦山国定公園の一部をなし、日本百景・日本二百名山の一つで、弥彦山（新潟県）・雪彦山（兵庫県）とともに日本三彦山に数えられます。
福岡県内では、大分県日田市との境にある釈迦岳（1,231m）に次いで2番目に標高が高く、山域は福岡県と大分県の県境未確定地域となっている。
山の中腹500m近辺に英彦山神宮奉幣殿があり、多くの参拝客が訪れ山ます。
山頂には上宮があり、2005年（平成17年）10月には、英彦山神宮へ続く参道沿いに、参道起点の銅の鳥居横から英彦山花公園を経由して参道終点の英彦山神宮奉幣殿へ至る全長849mのスロープカーが完成し、英彦山神宮奉幣殿まで約15分で行けるようになりました。

望雲台

石段と鎖付き岩壁で辿り着く「望雲台」と呼ばれる切り立った足場30cmの岩壁は、下界に広がる森林から突き出た鷹ノ巣山が望めるなど眺望が素晴らしく、自己責任で登るロッククライミングの名所となっています。
「望雲台」は本来山伏の修行場です。

深倉峡

麓にある深倉峡は紅葉の名所で、深倉峡の奥の深倉園地にある奇岩「男魂岩（おとこいわ）」と、谷を隔てて対峙する「女岩」とは巨大なしめ縄で結ばれており、毎年11月に「男魂祭」が開かれています。

伝承

英彦山には、彦山豊前坊という天狗が住むという伝承があります。
豊前坊大天狗は九州の天狗の頭領であり、信仰心篤い者を助け、不心得者には罰を下すと言われています。
英彦山北東に建てられている高住神社には御神木・天狗杉が祀られ、また古くからの修験道の霊地で、全盛期には多くの山伏が修行に明け暮れます。

英彦山神宮奉幣殿

国指定重要文化財の「英彦山神宮奉幣殿」は、かつての英彦山霊仙寺大講堂で、英彦山修験道の中心的建造物でした。
現在の建物は元和2年（1616）に当時の小倉藩主細川忠興公によって建立寄進されたもので、朱塗りの柱やこけら葺きの大屋根が常緑の杉の緑に映え、深山の雰囲気に絶妙にとけ込んでいます。
通常の祭典はここで執り行われています。
参道の石段を登ると、高さ約7mの青銅製の大鳥居がそびえています。
佐賀藩主鍋島勝茂公の寄進によるもので、霊元法皇の「英彦山」の勅額が当時の威勢を偲ばせます。
山伏が生活した坊舎で規模としては中位であるが、当時のままの姿を残した唯一のもので県指定有形民俗文化財の「財蔵坊」は、現在は町立英彦山歴史民俗資料館となっています。
国指定名勝の「旧亀石坊庭園」は、画聖雪舟が、3年間この山に留まって築いたと伝えられる日本庭園で、山林を背景にした配石、水のたたずまいに雪舟の雅をうかがいしることができます。
登山道を歩いていると、かつて山伏が修行した修行の場が、あちことに見られます。
山伏は山内にある49ヶ所の窟で修行を行なっていました。
現在確認されている窟には、彦山一窟にあげられる般若窟（玉屋神社）、梵字岩や磨崖仏をもつ今熊野窟、山伏の守護神の不動明王を祀った大南窟（大南神社）などがあります。

【所在地】福岡県田川郡添田町